ニカク工務店の建築技術

地下室施工技術

地下室を施工するには、地中深くまで掘削をして、地下空間を作らなくてはなりません。そのために、土留め擁壁を仮設したり、地下水が染み出さないように防水処理したりする必要があります。

土留め擁壁

土留めとは法面(のりめん)や崖、盛土などの崩壊を防ぐため、コンクリートブロックや石、現場打ちなどで「土を留める」ことを言います。
地下を作る際、土地を掘り下げますが、地中の建物壁が完成するまで土面が崩れないように仮設の土留め擁壁が必要になります。

土留め擁壁の様子
土留め擁壁の様子

外壁防水

一般に地下には地下水を含んでいる層が存在します。事前の地盤調査を行うことで、何メートルの深さの位置に地下水が出るかほぼ判ります。また一方で、地下建物においては、コンクリートだけでは防水性能が望めないため、別途防水対策を施す場合があります。
防水対策の方法には、地下の躯体が完成した後に防水処理を施す「後やり防水工法」と、土留め擁壁に防水処理を施し、それを躯体のコンクリート打設型枠として利用する「先やり防水工法」とがあります。

地下室の防水対策

地下室が漏水する理由は「地下水の層がある場所に必要な施工がされていない場合」と「コンクリートのクラックなどによるもの」、「結露によるもの」が考えられます。いずれも打設前のしっかりとした防水対策が必要となります。
地下外壁面に二重壁と排水経路を設けることで防水対策を行い、採光窓やドライエリアを設けることで建物内の結露を防ぎます。これにより万が一の漏水を防ぐだけでなく、建物内を結露させない仕組みとなります。

採光窓・ドライエリア

地下室はその名の通り地下に作られるため、光は遮断され太陽の光が差し込みません。
採光の窓を設けるには、天窓トップライトであったり、部屋の前に空堀ドライエリアを設けたりすることで開口窓から日射を確保します。

地下室施工のポイント

地下室は、限られた土地を有効に利用する手段のひとつです。特に都市部においては土地の価格が高いため、地下室を設けることでコストパフォーマンスを高めることが可能となります。
また、地面に囲まれているという特質から、温度の変化が少なく、防音にも優れているため様々なシーンで活用することができます。
その反面、防水対策や費用の問題など地上での建設とは異なる面も多々あるため、きちんとした知識と技術を持って施工する必要があります。そういった注意点を踏まえておけば快適な居住空間となるはずです。