ニカク工務店の建築技術
建築工法
RC工法
構造
RC工法とは、鉄筋コンクリート造(RC造)のことで、高層マンションやビルに多く採用されている工法です。最近では店舗や戸建て住宅などにも幅広く採用されています。
柱、梁、床、壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、骨組みとなる部分に鉄筋を組んでから周りに型枠というパネルを立て、中にコンクリートを流し込み固まるのを待ってから型枠を外すとでき上がります。引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートがお互いの弱点を補強し合うことにより、強靭な構造となることが特徴です。
RC工法の工程
基礎工事
地盤調査
まず建物を建てる土地の地盤調査を行います。地盤調査により、土地の地盤がどの程度の建物の重さに耐え、沈下に抵抗する力(地耐力)を持っているかを調べることができます。
例えば、その土地が軟弱な地盤で、建物の荷重に耐えられないと、建物は沈下します。地盤調査では、建物が沈下するかしないか判断でき、沈下の恐れがあれば適切な対策(土壌改良)を行います。
土壌改良
地盤調査により、地盤に問題がある場合は土壌改良を行い、強固な地盤へと人工的に改良していきます。
その後、杭工事を行います。杭が建物を支えることができるほど地盤深くの「支持地盤」まで杭を築造します。その後、基礎コンクリートを打設していきます。
その後、基礎コンクリートを打設していきます。
コンクリート打設工事
鉄筋と型枠組み工事
基礎工事の後、柱や壁の鉄筋を組み立てていきます。1本の柱に対して細い鉄筋が何本もあるようなイメージです。
鉄筋コンクリートの作り方は、柱や壁を作るために組んだ鉄筋の周りに板を貼って型枠を組み、コンクリートを流し込んで作ります。図面通りにコンクリートが正確な形で、また鉄筋からの厚みが出るように組み立てる必要があるため、専門の型枠工が精度を確認しながら進めていきます。
柱や梁、壁などの型枠の組み立てが完成したら、スラブ(床や屋根)型枠を組んでいきます。その後、型枠の上に鉄筋を組み立てていきます。
コンクリートを流し込む工事
生コンクリートの打設前に、電気・ガス・水道といった設備配管や、鉄筋と型枠の検査を行ってからコンクリートを流し込みます。
コンクリートが固まったら、型枠を取り外します。
このように、建物の階層が増えれば、「配筋→型枠→コンクリート打設」を繰り返して、上階を作っていきます。
内装工事
コンクリート打設工事後、サッシの取り付けや、断熱工事や内装、外構工事などに入っていきます。
RC工法のメリット
遮音性・機密性が高い
コンクリートは振動が起きにくく、音を伝えにくい材料のため、外の騒音や雑音も気にならず、中の音が外に漏れる心配も少なくなります。また、柱と壁が一体であるため隙間が生じにくくなることから空調効率が高くなり、夏は涼しく、冬は暖かい、といった過ごしやすい住まいが実現します。
耐火性が高い
鉄筋コンクリートは非常に熱に強いことが特徴で、1,000度の炎に数時間さらされても崩れることなく強度も下がりません。特に住宅の密集する都心部では延焼を防ぐことができ、高い効果が期待できます。
デザインの自由度が高い
他の工法では難しいようなデザインも、RC工法なら幅広く作ることが可能です。強度が強いため大きな空間や間口を広く取ることも容易になり、デザインの自由度はかなり高いと言えます。また、メンテナンス性に優れていることもRC造の魅力の一つです。
まとめ
以上のように、RC造はデザインの自由度も高く、様々なメリットもあり非常に魅力的な工法ですが、注意点も存在します。RC造の建設プロセスを見てみると、木造や鉄骨造に比べ工程が非常に複雑なため工期が長くなり、材料費・人件費などの建築コストも高額になります。ですが、RC造の耐用年数は長く、建物の資産価値を高める工法であることから、子や孫の世代まで耐えうる堅牢な住まいを維持メンテナンスしながら受け継いでいくことができ、結果ライフサイクルコストを抑えることにつながります。