ニカク工務店の建築技術
建築工法
鉄骨工法
鉄骨工法は、鉄骨造またはS造(鉄であるSteelを略した言葉)と言われ、建物の骨組を鉄で作る構造のことを指します。鋼材の厚みによって6mm以上は重量鉄骨造、6mm未満は軽量鉄骨造に分類されます。重量鉄骨造は高層マンションやビルといった比較的大きな建物に、軽量鉄骨造はアパートや一般住宅、小規模店舗などに用いられることが一般的です。
鉄骨造のメリット・デメリット
鉄骨に強度があることから使用する柱の本数が少なくできるため、間取りやデザインの自由度が高く広々とした空間を作りやすくなります。鉄骨造の耐力は木造と鉄筋コンクリート造(RC造)の中間といったイメージで、耐用年数は木造に比べると長くなります。RC造と比較すると低コストで建設ができ、害虫被害も起きにくいと言われています。
デメリットとしては、遮音性は低いことが挙げられます。RC造はコンクリートの壁に囲まれているため遮音性は高くなりますが、鉄骨造は柱や梁、壁などの部材の間を密閉できないので遮音性はあまり期待できません。遮音性を求める場合は、断熱材に防音性の優れている素材を採用したり、防音パネルを入れたりするなどの対策が有効です。
他に、鉄は熱に弱い特性があり、万が一火事が起こると上昇した温度で鉄骨の強度が低下してしまうため、耐火性は高くない構造と言えます。そこで、耐火性の高い材料で鉄骨を覆う「耐火被覆」という工法を施すことにより、火事によるほかの建物への延焼を防ぐことができます。
鉄骨造の耐震性
鉄骨造は木造に比べると強度は高くなりますが、耐震性でいうと決して高いとは言えません。しかしながら、高層ビルのように耐震設備を整えた高さのある建物になると、鉄の性質であるしなやかさで地震の力を軽減させることが期待できます。
また、阪神淡路大震災の際の被害を構造別で見てみると、木造に次いで鉄骨造の被害が多くみられました。RC造の被害率と比較してみると、大きな差が出ていることが分かります。