作品集

注文住宅

ガラスブリッジのある家

ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家
ガラスブリッジのある家

カメラマン:平野和司

建築家
建築家より
計画地は滋賀県の大津市である。大津市は歴史を持つ古都であり、世界文化遺産の日吉大社などの寺社仏閣をはじめ多くの史跡が所在する地域である。
そのような地域ではあるが、計画地は西に京阪電車やバス通り、南に新幹線、北に10階建てのマンション、東に母屋が建つという条件であった。
そんな悪条件の中、少しでも外部空間を内部に取り入れたいというコンセプトのもと、南側の電車の向こうにわずかに見える石山寺から続く森を生かすべく計画を進めていった。
建物の構成は外部の環境にあわせヴォリュームを決定し、外部空間を取り込むため中庭のあるプランとした。
相貫し合う三つのヴォリュームからなり、ひとつは前面道路側に離れとして和室、玄関、車庫を配し、ひとつは母屋側にLDK配し、もうひとつはマンションからの視線を遮るように他のヴォリュームの上に乗せ、寝室、子供部屋、浴室を配した。生活ゾーンは2つのヴォリュームで完結するような構成をとっている。
1階のヴォリュームを繋ぐブリッジは内部でありながら、外部にいるかのようなガラス空間であり、生活ゾーンへと導くシークセンスとなった。
また、この敷地は瀬田川からの軸と国道に並行な軸とが合わさる変形区画の敷地であり、2つのヴォリュームの軸を変えたことでトライアングルの中庭が形成された。
ブリッジから外を見る景色はパースペクティブな空間となりよりいっそう奥行きを強調させている。
2階の子供ゾーンとしては完全に区切るのではなく、入れ子状の構成をとり部屋と部屋をやわらかくつなげた。
また、2階全体に天井高に強弱をつけたことによりスケール感が変化し、崩れた空間のヒエラルキーを楽しめる空間となった。
浴室には施主の当初からの希望である、バルカ(鉛)という置き型式の浴槽を配置し、中庭のヴォイドから延びる緑を望むことで非日常的な空間を演出した。
その奥の寝室へは陰影のある路地を思わせるような細い廊下を通り気持ちを切り替え安らかに休める空間としている。
全体として、開いたヴォリュームと閉じたヴォリュームを組み合わせることで敷地のハンディーキャップを打破し、外部を積極的に取り入れ空間に強弱を付けることで新しい空間を実現した。
施工情報
種別
注文住宅
場所
滋賀県
敷地面積
226.13㎡(68.52坪)
建築面積
96.3㎡(29.07坪)
延べ床面積
143.05㎡(43.19坪)

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